住宅FC・VCで成功するには?
住宅FC・VCは儲かる?
あくまでも一例ではありますが、経営状態が安定化した住宅FC加盟店の平均的な月間売り上げは100万円程度、そこから人件費や家賃といった諸経費、さらに売上の7~10%とされるロイヤリティの支払いなどを加味すると、平均的な月間の利益はおよそ30万円程度、年収ベースでおよそ360万円だといわれています。
※編集チーム調べ(2024年4月調査時点)
上記を平均値と考えると、当然ながら1000万円近い売り上げを上げている加盟店もあれば、利益が出ていない加盟店もあるといえます。
VCについても、本部へのロイヤリティこそFCに比べて安い傾向にあるとはいえ、利益が出ている・出ていない加盟店に分かれる点は同様と考えてよいでしょう。
いずれにせよ平均値を上回るには、本部からの指示や、知名度・ノウハウだけに頼ることなく、独自の努力や工夫が求められることは言うまでもありません。
FC・VCで成功するためのポイントとは
オーナーであるという自覚を持つ
当たり前といえば当たり前ですが、これこそFC・VCで成功するための鍵といえるでしょう。
FCの場合、本部からノウハウやサポートの提供を受けられますが、それだけで経営が成り立つはずはなく、まずは優良店のやり方を学ぶことや地域毎のニーズの把握、さらに競合他社のみならず他のFCといかに差別化を図るかなど、成功する方法を自ら積極的に学び、実践していくことが不可欠です。
VCの場合はFCに比べて経営の自由度が高く、その分成功するためにできることは多いといえます。より個性的かつ地域の特性を掴んだ店舗展開や営業戦略、仕入れ先などの開拓、さらに加盟店同士の協力も欠かせません。
事実、業種に限らず廃業しやすいお店の特徴として、他力本願なオーナーという共通点が見られます。
利益が上がっているときはもちろん、業績が悪いときこそその原因をつきとめ改善に努める、そうやって経営状態を自ら把握し、長期的な視野で経営することが重要なのです。
経営に専念できる環境を作る
住宅FCおよびVCの経営は、本部からのサポートがあるとはいえ、様々な業務がありなかなか経営に専念できない状態になることもあります。
経営に注力するためには、その業種で経験豊富なスタッフを採用することが近道といえます。
ときには上司・部下の垣根を超えて、経験者から住宅業界ならではのノウハウなどを学ぶことも大切です。
特にFCであれば人材の募集や教育などもサポートしてくれる場合がありますので、できるだけ早くオーナーが経営に専念できる環境をつくることを心がけましょう。
加盟先の経営業態を事前に確認する
個人の工務店ではなくFC・VCとして加盟する以上、知名度も大事ですが、加盟先の経営業態を事前に確認することも忘れてはなりません。
安定した業績を続けていれば、本部として広告展開など集客のための投資を積極的に行なってくれます。
その結果、加盟店の売り上げが上がれば本部にも利益が還元され、さらに集客の後押しのみならずノウハウの提供といったサポート面も充実し、よいサイクルが循環していきます。
一方で、本部の業績が芳しくない場合、加盟後のサポートが思うように得られず経営がなかなか軌道に乗らないばかりか、本部の資金繰りの悪化によって倒産という事態も招きかねません。なかには、加盟後3ヶ月もしない内に本部が倒産したという事例もあるようです。
FC・VCで成功するためには、まずは堅実な経営ができそうな加盟先を選ぶようにしてください。
FC・VC加盟店と本部間での成功ポイント
FCおよびVC運営を成功に導くには、加盟店と本部が相互に協力しあう必要があることはいうまでもありません。その上で、FC・VCそれぞれで特に重要と思われるポイントは以下になります。
FC加盟店と本部間
本部側が各FC加盟店に対して経済的有効性の保証や経営ノウハウの提供をし続ける必要があります。また、加盟店が他のFCに流出しないよう、競合FCとの差別化を図るなど、自社・他社の分析なども欠かせません。
また、FC加盟店側は本部の指示に従って経営を行なうことになりますが、頼りきりになるのではなく、集客や顧客対応などを着実に行なっていく必要があるでしょう。
VC加盟店と本部間
横のつながりが強く、加盟店同士協力し合うことが多いVCの場合、VC本部の取りまとめ役のリーダーシップ体制が成功の鍵となります。
加えて、各加盟店の規模をできるだけ統一することや、各加盟店が競合しないようテリトリーを分割するなど、トラブルが起こらないようにすることも重要となります。
FC・VC加盟店が本部に求めるメリットの違い
とある調査によると、FCまたはVCに加盟する工務店が求めるメリットとして「営業力」「商品力」「ブランド力」「施工の合理化」などが挙げられますが、規模の大きい工務店ほど「商品力」を求めているのに対し、規模が小さくなるほど「営業力」や「施工の合理化」への要望が強くなるようです。
そのため、本部側は画一的な対応に終始するのではなく、加盟店毎の要望の違いについても知っておく必要があるかもしれません。
加盟店選びはミスマッチにならないよう気を付けよう
「競争に勝ち抜くためのノウハウとサポートがほしい」というオーナー側と「一社でも多く加盟店を増やしたい」という本部側、双方のニーズが一致することでFCもしくはVCに加盟することになりますが、最大の目的は「お互いの弱点の補完」であり、目先のニーズだけを優先して契約を急ぐと、後々ミスマッチが明るみになり、失敗へとつながる危険性があるのです。
ではFC・VC加盟におけるミスマッチとは、どのようなケースが考えられるのでしょうか。
サポート内容のミスマッチ
本部からどのようなサポートが受けられるかは加盟先によって異なっており、例えば経営や集約などあらゆるサポートを期待していたにも関わらず、実際には部分的なノウハウの共有のみだったというケースがあります。
この場合、FCとVCの違いを把握していなかった可能性もありますが、いずれにせよ自分が本当に必要としているサポートがなんなのかを事前に把握しておく必要があります。
商品力のミスマッチ
加盟先を選ぶ上で、加盟先の持つ商品力は欠かせません。「新しい商品」「ニーズにあった新工法」など、ユーザーを惹きつけるポイントは様々ですが、それが自社で活かせるかどうかはまた別の話。
なかには、多くの問い合わせがあっても実際には経営に活かせなかったというケースもあるようです。
いかに商品に魅力を感じている場合でも、自社の強み・弱みに合致しているかどうかは注意すべきポイントといえます。
企業理念のミスマッチ
特にFCの場合、本部と加盟店にはある程度の上下関係があり、本部側の企業理念の共有が行なわれます。
加盟店側は経営ノウハウなどが得られる反面、本部側の理念やルールに従う必要があり、場合によっては自分の意にそぐわない判断をしなければならないこともあるかもしれません。
フランチャイズとして成功を収めるためには、経営ノウハウのみならず、本部側の企業理念を理解しておく必要もあるでしょう。
住宅FCの失敗事例
【事例1】加盟店フォローに追われて自社の業績が低迷
高いデザイン性とコスパの良い注文住宅で地元ではNo.1のシェアを誇っていたA社。今後の多拠点展開を見据えていた際に複数社からA社の商品を売らせて欲しいという要望を受け、FC展開を決断。
しかしながらA社はFC運営についてはほぼ無知の状態であり、本部として提供するサービスやノウハウが明確でなかったことや、加盟する上でのルール・基準・手法を明文化していなかったため、各加盟店毎に異なる要望がくることで加盟店のフォローに追われる日々が続き、結果的にA社の直営部門の業績が低迷するという事態を招いてしまいました。
参照元:フランチャイズビジネスの実態と課題-vol.1- | リブ・コンサルティング
(https://handr.libcon.co.jp/column/doc_135/)
【事例2】パイロット加盟店での検証を実施せずFC稼働後に問題が噴出
自社開発したローコストの企画住宅によって売り上げを伸ばしたB社は、FC展開に向けて商品・営業ツール・ホームページなどのソリューションパッケージを取りまとめ、加盟店募集をスタート。
広告展開やセミナー開催などが功を奏してすぐに4社がFC加盟しましたが、パイロット加盟店でのトライアル検証を行なっていなかったため、FC稼働後に想定外の問題が多数噴出し、加盟店の実績が上がらず、その対応に追われることになってしまいました。FC展開の際には、パイロット加盟店によるトライアルによって効果検証を行なうことが必須といえるでしょう。
参照元:フランチャイズビジネスの実態と課題-vol.2- | リブ・コンサルティング
(https://handr.libcon.co.jp/column/doc_136/)
【事例3】模倣可能な企画住宅だったため契約満了後にFC退会が続出
C社では独自開発した企画住宅が好評だったため、これをFC展開することにしました。その際、提供するのは商品企画と集客・営業ノウハウのみで、住宅建築については「特殊な工法を必要としない」「部材を本部から供給しない」などにより加盟金を抑えることで約1年で10社以上が加盟しました。
ところが、初期契約期間の2年を過ぎると加盟店の退会が相次ぎ、さらに退会後に似たような企画住宅を開発されてしまいました。加盟店がFC規約を継続する理由として、特許ノウハウの使用や、部材を安く仕入れられるなど、加盟し続けるメリットが不可欠であることを表す事例です。
参照元:フランチャイズビジネスの実態と課題-vol.3- | リブ・コンサルティング
(https://handr.libcon.co.jp/column/doc_137/)
フランチャイズで失敗する原因とは
資金不足
FCオーナーになるにはまず開業資金が必要ですが、それ以外にも準備に様々な費用がかかるため、当初の予想より費用が発生してしまい、経営を維持していくだけの体力がなくなってしまうケースが多くあるようです。
そのため、事前に十分な資金を用意することはもちろん、初期投資をどのくらいで回収できるかを明確にすること、さらに資金が足りなくなった際の調達先の確保も重要です。
加盟店の能力不足と本部の指導力不足
FC運営は、加盟店の努力と本部の指導力の両輪で成り立っています。
そのため、オーナーの経営手腕やマネジメント能力が足りないだけではなく、弱点をサポートする本部の指導力にも問題があると、経営はなかなか上向いていかないでしょう。
加盟店として努力を続けること、さらに的確なフランチャイズ選びが欠かせません。
悪徳フランチャイズに引っかからないようにするには
フランチャイズのなかには、長期的なサポートなどは考えず、加盟者からの搾取だけを目的とした悪徳業者も存在します。
そういった悪徳フランチャイズに引っかからないために、注意すべき点をまとめました。
加盟を急かしてくる
フランチャイズ側の担当者はノルマを負っており、加盟者を増やすことだけを目的にとにかく加盟を急かしてくることがあります。
その場合、FC加盟に際して必ず存在するリスクについての説明が曖昧で、加盟後に明るみになるケースが考えられます。
加盟を急かしてきた際には、相手の言うことを鵜呑みにせず、冷静に対処する必要があるでしょう。
法定開示書面がない
FC加盟に際しては、フランチャイズ本部から法定開示書面や経営計画書が提示されます。
それらの説明が曖昧であったり、初期費用などの表記が曖昧である点も、悪徳フランチャイズの常套手段といえます。
他オーナーからの口コミが悪い
インターネット上には口コミを集めたサイトが無数にあり、良い評価も悪い評価も正しいとはいいきれませんが、中にはオーナーが実際に書き込んでいる具体的なものもあるので、どういった部分で低評価なのかをチェックするのもおすすめです。
なお、「収益が良い」「以前に比べて◯倍になった」といった良いことばかりが書かれている口コミや、抽象的な内容に終始している口コミについては、フランチャイズ本部のスタッフが書き込んでいる可能性があります。
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販売実績の豊富な
住宅フランチャイズ4選
小~中規模の工務店向け
- 商品力やサービス力を生かして集客したい
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(大都市圏など)で展開する住宅会社向け
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